僕が TeX を使うのを辞めた30の理由

ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。


むしゃくしゃしていてやった。例のごとく反省はしていない。


追記: あまりにも釣り口調過ぎて忍びないので、釣りっぽさを抜いた記事にしました。
http://ufcpp.net/study/office/word2007.html

僕が TeX を使うのを辞めた 10 の理由

この前書いた3つの理由、ずいぶんと人気だったらしいね。僕は悲しいよ。僕が欲しかった反応は「てっくすって何?食い物?美味しいの?」だ。

「3つの理由」なんてけち臭いことをしてすまない。僕の中ではあれは「人気出るはずのない記事」だったんだ。だってそうだろ、誰も使ってないものを「辞めた」なんて書いて、誰が読むんだい?

ぶっちゃけ、途中で飽きたんだ。ほんとは TeX を辞めた理由なんていくらでも出てくるさ。

おさらい: 3 つの理由

http://d.hatena.ne.jp/ufcpp/20100216/1266337507

  1. 一生のスキルたり得るか
  2. プレゼンは PowerPoint
  3. Microsoft Equation Editor

とりあえず、↓この動画はもう一度貼っておこうか。


4. 値段

有償なのが嫌だって?じゃあ OpenOffice は使わないのかい?あいつもそこそこ頑張ってるって話らしい。

MS Office だって、学生には高いっていうけど、学割で格安で買えるじゃないか。大学や高校向けのボリュームライセンスならさらにお得だ。特に、大学の研究室だと買ってくれてることが非常に多い。みんな大好き ExcelPowerPoint は必要にせまられるからね。それに抱き合わせで付いてくる Word はただみたいなもんさ。

5. PDF 化

多くの学会では、原稿の電子入稿は PDF で行うことだろう。昔は困った。Word を PDF 化するには Adove Distiler のようなアプリが必要だった。

今はどうかというと、普通に無料(MS 公式)で PDF 保存ができる。Word 2010 なら何もインストールしなくても標準で可能だ。Word 2007 でもプラグインが公式サイトから提供されいている

http://ufcpp.net/study/office/fig/ToPdf.png

6. スタイル

Word はスタイル適用が難しいだって?Word 2007 は使ったことがあるかい?数クリックじゃないか。

あと、Word 2010 ならアウトラインも分かりやすい(動画の左側)。文書作成アプリの他にアウトラインツールの類を使う必要もない。

7. 表

もちろん、表を書くのも簡単だ。


8. リボン

突然だが、君はテレビや携帯のマニュアルを読んだことがあるかい?僕は全く読まない。

「自分はちゃんと読む」だって?素晴らしい。君はメーカーにとって上客だ。開発者に代わってお礼を言おう、ありがとう!

いまどきのアプリはUI自体がマニュアルになっている必要がある。でなければ、どんなに素晴らしい機能を持っていようと使ってもらえないんだ。優れたUIは、優れた作業環境であると同時に優れた学習環境でなければならない。

その点、リボンUIはなかなか優れ物だ。眺めているだけで、一通りの機能が解る。「入門」とか言いながら凶器になりそうな分厚い本なんて読まなくても使える。

http://ufcpp.net/study/office/fig/RibbonUI.png

9. 校閲

人の書いた文章を校正したことはあるだろうか。よくやるのは、印刷したものに文字通り赤ペンを入れる方法だ。

だが、その方法だと遠隔地での校正に困る。他大学との共同研究や、同大中であってもキャンパスをまたぐことは珍しくない。企業との共同研究もあるだろう。

そういうとき、一度印刷して赤ペン入れた後、スキャナーにかけて画像化して送り帰すという手もなくはないが。この方法は面倒だし、元のテキスト情報が失われてしまうのが難点だ。
(まあそもそも、手書きは往々にして、修正点の反映し忘れや、文字が汚くて読めないなどの問題を引き起こす。)

TeX の場合、ソースコードにコメントで指示や変更点を埋め込むという手もあるが、通常のコメントと混ざってしまうという可能性もある。また、テキストと組み版結果が同時に表示されないをで、レイアウトに関する指示は出しづらい。

一方、Wordは様々な校閲機能を持っている。変更履歴やコメントは非常に便利だ。こちらの自分の修正したところだけではなく、他人の修正点も、誰がいつ修正したものか、情報が残る。修正を反映させず、元に戻すも簡単だ。

http://ufcpp.net/study/office/fig/Review.png

10. グループ文書・サブ文書

Wordは複数人で1つの文書を編集するときに困るだって?まさか、コピペで文書を1つにしようとしてたりしないだろうね。

Wordには、グループ文書とサブ文書という機能もある。

http://office.microsoft.com/ja-jp/word/HP051870021041.aspx

http://ufcpp.net/study/office/fig/Group.png

input や include だけがグループ編集の解決策じゃないんだ。

僕が TeX を使うのを辞めた3つの理由

追記: 増やした

今、こんな文書を書いている。

僕が TeX から Word に移行していったのは修士過程に通っていた頃からだ。学科の修論テンプレートはもちろん LaTeX のスタイルファイルだったが、それと見た目そっくりな Word テンプレートを作って、Word で修論を書いた。当時はまだ Office 2003 だったか。2007 になって、Word はさらに使いやすくなった。もはや TeX を使う理由は全くない。

時代は流れ、僕はもはや TeX のことなんて忘れていたんだ。でも、風のうわさで、いまだに学生は TeX で論文を書いているらしいというのを小耳にはさんだ。もうすぐ Office 2010 が出ようというこのご時世にだ。

そこで、今日は僕が TeX を使うのを辞めた理由を書いてみようと思う。

1. 一生のスキルたり得るか

「卒論、TeX で書いてるのかい?TeX なんて就職したらもう一生使わないぜ。」これが僕の率直な感想だ。企業で TeX を使っているところを見たことは一度もない。多くの理系学生が卒論を TeX で書いているにも関わらずだ。

企業では、おそらく、MS Word が2番目によく使われている文書作成アプリだ。残念ながら、1番は MS Excel になる。(今日もまた Excel 方眼紙が大量に作成されている。)そして、Microsoft 製品を嫌う会社ですら、使っているのは OpenOffice だろう。どうしてもテキストだけで文書を書きたい奴は、Wiki ページから PDF を生成している。どこにも TeX の姿なんてない。

2. プレゼンは PowerPoint

論文執筆には TeX が根強く残る一方で、プレゼン発表はどうだ。見渡す限り PowerPoint, PowerPoint, PowerPoint じゃないか。(おっと、Keynote もいたっけか。)あんまりにも PowerPoint が便利なものだから、TeX 中に埋め込む画像も PowerPoint で書いているくらいだ。

ここで1つ言っておきたい。Microsoft の製品は非常に一貫性に優れている。Word と PowerPoint で操作性が全く異なるなんてことはない。PowerPoint が使えるなら、まず確実に Word も使えることだろう。ほとんど訓練することなしでもだ。

3. Microsoft Equation Editor

「やっぱり数式は TeX」だって?いつの話をしているんだい。そりゃ、「Word 95 で書け」と言われたら僕だってお断りだ。だが、今はもう2010年なんだ。Microsoft のドル箱商品は確実に進歩を続けている。

言葉だけじゃ信じられないかもしれない。とりあえず↓こいつを見ていただけないだろうか。

分数を入力するのに \frac{a_{ij}}{b_{kl}} だって?Word 2007 以降なら、a_ij/b_kl だけで入力できる。マウス操作は一切要らない。すべてキーボード入力だけで済む話だ。TeX の数式は組版結果こそ綺麗ではあるが、お世辞にも入力しやすいとは言えない。Word 2007 以降の数式エディターは、入力しやすさ、テキストで表示したときの可読性、そして組版結果の数式の綺麗さ全てを考慮した上で設計されている。

また、Office 2010 からは PowerPoint の数式エディターもこいつに変更されることになる。これからはプレゼンと論文で同じ数式を2度書く必要はなくなるんだ。

ちょっと久々にhatenaの記事に食いついとく。

ほっとくとブラックになるのが企業の本質だからこそ、労働基準法で色々制限かけてるわけでしょ。(たいてい法律ってのは弱者保護のために作られる。)

日本のブラックさは、労働基準法が実質働いてない所じゃないかと。

「自分探し左翼」って言葉、いいなぁ。中二病的で。

まあ、実際、理系の研究(の一部の大型施設使うもの)は都会に移しづらいでしょうねぇ。あと、バイオだったりケミカルだったりニュークリア―だったり、ハザードが起きる可能性から周辺住民に嫌われるという。

昔、「都会は誘惑が多くて勉学には向かない」という大義名分を元に、安くて土地の広い郊外にキャンパスを移す学校が続出した時期があって、その時代に育った人が今、教授になって大学の実権を持ってるんですよね。都心への移転に反対する先生とか多いんじゃないかと。

でも、この大学全入の時代、キャンパスが都会の駅前にあるってのは大切だと思うんですけどねぇ。

故郷を離れる

今後も、hatena の話題に食いつくときは hatena で書こう。

この話なぁ、正直、以下の2点は分けて考えて欲しい。↑のマスダではごっちゃになってる気がする。

  1. いろんな世界見とけよ的な意味で、生まれ育った土地の外に出とけ
  2. 規模効果を最大限に享受するために、都市部に出とけ

前者的な意味では、地方も都会もそう変わらないわけですよね。都会の方が色々な機会に出くわす可能性高いって意味では有利だとは思うけど、逆に地方にしかない機会もあるだろうし。

後者的な意味では、人口密度の高い土地ほどいいのは明らかで、地方より都会の方が絶対にいい。人口密度1.5倍弱しか変わらない関東と関西ですら、関東の方が絶対いい。世界でも有数の昼間人口密度を誇る東京(の山手線の内側&周辺)はほんと素晴らしい街だと思います。

学生は教授の研究のために授業料を払っているわけではない

hatenaの話題だし久々にこっちでブログ書いとく。

一時期、教員やってた経験もあるんで、この問題にはちょっと言いたいことが。

大学は「教えてもらう場所」じゃなく「自ら学ぶ場所」

「大学は自らが学ぶ場所だから」は確かにその通りだけど、それを「へたくそな授業をする言い訳」に使うのはどうかと思う。

大学の授業、授業のうちの4・5割は「へたくそ、変われ、俺が授業やった方がいい」ってずっと思ってましたからねぇ。個人的な信念として、「人に教えられて初めて一人前」って思ってるんで、へたな授業をする人ってのはその時点で、教授だろうと、研究で成果残していようと半人前。

でもしょうがない

が、その後、研究室に配属されて間近で先生の様子を見てると、まあ、ろくでもない授業があるのもしょうがないって思うようになった。

実のところ、先生が受け持ってる授業って、もろにその先生の専門ってわけじゃないんですよねぇ。研究の基礎となる知識ではあるんだけど、かなり基礎中の基礎で、普段直接は触れてない。理学系ならともかく、工学系のところでは、普通そんな基礎知識は忘れる。大半の人は、理論の基礎わかってない状態で、「使えればいい」で研究してるわけです。

しかも、授業ってのは年1回なわけで。はっきり言うと、毎年忘れる。毎年忘れて、毎年自分が勉強しながら授業してる。結構な歳のおっさん・おばさんがそんな状態で授業したら、そりゃ飲み込みのいい若人が「変われ、俺がやる」って思うのも無理はない。

何がしょうがないって、そもそも不適格な人間が授業教えてるんですよ。そりゃダメに決まってる。

「しょうがない」ではいけない

この話、教員個人視点でいうと「しょうがない」って話で、大学という組織で見るとダメ

一般企業で例えると、「人格的に不適格で、新入社員をつぶしまくってる人が部長から降格しない」みたいな状態。

この例の場合、部長は部長なりに精いっぱいやってるはずで、部長を責めるのはお門違いだったりするんで、組織がその状況を止めないといけないと思う。

大学に欠けてるのは、そういう組織的に大学全体を良くして行こうという感覚。教授本人が音を上げない限り、教授がテンパってるのが発覚しない。学生も巻き込んでどんどんつぶれて行ってるのに、他の研究室の人はなかなか気づかない。あるいは、気づいていても、「あっちが不人気になればその分うちに優秀な学生が来るからいいや」くらいにしか思ってない。

この辺りが大学の一番の問題だと思うんですよね。

改善案

ぱっと思い付くのでも対処の方法はあるんですよね。実際にやってる学科もあるって聞きます。

  • 研究室の壁を取り払う
    • 大学を「自ら学ぶ場」というなら、「入ったはいいけど、やっぱこの先生ダメだ」って思ったら指導教員を変えれる仕組みが必要
    • 実際、研究室制を取り払ったっていう学科もあります
      • これはこれで、「同窓意識が希薄になる」っていう残念な点もあるんですが
    • 「本人の希望と、受け入れ先の新しい指導教員の人が同意すれば指導教員を変更可能」っていう学科もあります
      • これも、「人格的にアレな先生の吊るしあげ」になっちゃうんで、降格人事のない大学では「吊るしあげられて実質的に仕事のない教員に、他の教員と同じだけ給料払ってる」って状態になりかねませんが
        • ちなみに、40代以上の教員には任期が付いていなかったりするんで、どんなに酷い状況になってもクビにならなかったりします。
  • 研究用職員と、授業用職員分けた方がいいんじゃ
    • ろくでもない授業がある理由の1つは、さっき言ったように、「毎年忘れてるおっさん・おばさんが授業してる」というもの
    • なので、授業専用職員がいればこの問題は即座に解決するはず
    • 研究だけやっていたいって人と、授業だけやっていたい人ってのは両方確実にいる
    • 一部の学科ではこういう分化が起こってるっぽいです
      • 仕組み的にそうなってるわけじゃなくて、自然発生的にそうなってるだけっぽい
        • 正式なものではないので、やっちゃいけないことやってる状態
        • 正式に仕組みとして取り入れるべきだと思う