5×3 の例のアレ
追記: http://kidsnote.com/2010/11/15/35or53/ こういうのがホットエントリーに入ってるけども、やっぱり3×5のどっちが「掛ける数」でどっちが「掛けられる数」かの問いには答えられてないなぁ。あと、指導要領からして終わってることが発覚。
さらに追記: http://d.hatena.ne.jp/yetanother/20101114/1289759677 「3×5≠5×3」派の意見は、やっぱり「指導要領を部分的に読んで曲解」ってところっぽい。
かけ算の5×3と3×5って違うの?
http://togetter.com/li/68853
5×3は不正解派の人があんまりにも納得いかないんで今更釣られてみる。
正解派はもちろん:
- ×付けられてどこが問題なのか気づける相手ならいいけど
- 3皿5個のリンゴの数が、(皿に置かず)3行5列に並べても個数変わらず、さらにそれを横から見て5行3列にしても個数変わらないという脳内イメージができてる子供相手に、「5×3はダメ」を納得させられる?
- 掛け算は可換だから気にすんな
- 掛け算の可換性も確か同学年で教えるはずなのに、それと矛盾する
- もちろん考える過程は大事だけども、こんな短い式から過程は読めない
- 皿ごとにカウントしてって 3+3+3+3+3 と、お皿に1個ずつ乗せて各皿3個になるまでカウントして 5+5+5 と数えるのと、どっちも正解じゃない
なわけですが、そこで不正解派の人曰く、
- 「掛ける数」と「掛けられる数」が違うからそこは厳密に
って言ってるわけですね。
じゃあ・・・
どっちが「掛ける数」?
「掛ける数」と「掛けられる数」が違うというところまでは、(少なくとも哲学的には)納得は行くものの、そこから先の説明がまるで納得できるものがない。
3×5、どっちが「掛ける数」で「掛けられる数」数なの?
- 3に掛ける5 だから 5が掛ける数
- 3を掛ける5 だから 3が掛ける数
どっちだよ!
「5皿に3個ずつ」と「3皿に5個ずつ」が違うのはいいとして、「3×5」を「3皿に5個ずつ」と読む根拠は?「5個を3皿」でないのはなぜ?
あと、順序気にしておかないと割り算の時に詰まるって?じゃあ・・・
- 15個を3個ずつ皿に分ける
- 15個を5枚の皿に分ける
やっぱ問題次第じゃないかと・・・
言語と語順
ここで、もう少し話をややこしくしてみましょうか。×って記法、ヨーロッパでできてますよね。じゃあ、印欧系言語の語順で考えないといけないのでは!試しに英語にしてみましょうか。
- 3 times 5 (5を3回)
- multiplies 3 by 5 (5を3に掛ける)
- 5 dishes of 3 apples (3個のリンゴが5皿)
- 3 multipies 5 (3が5に掛かる)
ややこじつけなものの、でも、言語によって語順は変わるということは重要。
抽象化
こんな言語依存な話になっちゃうのって抽象化が足りないんじゃないですかね。だからこんな言語依存、読み方依存な議論になっちゃう。
数学(算数も後々には数学につながっていく)として、抽象化は非常に大事なわけですが。もちろんそんな話小学生相手にしても難し過ぎますけども、上記のような話が記憶の片隅に残って、抽象化が必要な歳になった時にそういう志向ができない子に育ったら嫌だなぁと。
最初にちょっと書いてますけども、この問題の場合、抽象化ってのは以下のような感じ
- 3皿5個のリンゴの数が、(皿に置かず)3行5列に並べても個数変わらず、さらにそれを横から見て5行3列にしても個数変わらないという脳内イメージを作る
- さらに、それはリンゴや皿である必要はない
このイメージができてる人相手に、「3皿5個と5皿3個は違うから3×5でないとダメ」って説明してほんとにいいものか。